我々を支えてくださる皆様へ!

大谷田就労支援センターの支援の考え方や普段の様子を載せていきます!

名もなき支援者連絡ノート 日記

2013年01月18日 施設実習 それから

先日は、入所前の実習お疲れ様でした。ご家族としては、ちゃんとできているのか、挨拶をしているのかとか心配も多く過ごされたかと思います。

ご家族の皆さんが思うよりも、ずっと良くできていたと思います。来年が楽しみですね。

今後は入所先を選ばれる上で、色々なことで悩まれると思います。まずは、ご本人の人生の上で始めてと言ってもいい大きな選択を行う場面ですので、ご自身がいろいろと見て聞いて体験して、その上で悩んで決めさせてあげてください。ご家族の意向もあると思いますが、これまでの事例からしても、ご本人が選ばずに、ご家族や学校に決められて大谷田に来る方は、仕事をする目的とか、何のために通所しているのかが見いだせずに、仕事で躓く機会が増えたり、なんとなく休んでしまう傾向になってしまいます。そのために居づらくなってしまったりして、また休みが続くという、悪循環になってしまいます。

確かに、この子が決めるのは難しいとか、自分で考えるのがほとんどできないとか、ご家族がある程度把握しておかないと、というお考えがご家族にあるかもしれません。それでも自分で考えないで決められてしまったことは、誰もが自分自身の問題として考えることができなくなります。

また実習自体も、入所を決める事前実習であっても、その実習の目的を持たずに、ご家族や学校から行きなさいとだけ言われて来てしまうと、様々な理由で休んでしまいます。そのような方は、やはり入所してからも休みが続き、安定されるまで何年もかかってしまいます。実習自体も自らの進路として考えていただくことから始めて下さい。ご家庭の意見や思いもあるとは思いますが、自分で見て体験してみて選んでいくことがどれだけ重要なことかを理解していただけたらと思います。

学校以外で、企業や施設での実習ともなると、ご家族以上にご本人は緊張されたり、不安になったりすると思います。だからといって自らの進路を避けることはできないのです。それでも、きちんと何のために実習を行うかを考えてもらって下さい。施設に入れば、もっと自分で決めていく機会は増えます。仕事の中でも判断を求められること、与えられた仕事を自分で最後まで行わなければならないことは増えていきます。仕事を通して、何かに貢献していくことの一番重要なポイントになります。

入所してからも、自分で決めていく機会や判断する機会を、我々支援者が代わりに行うことはできません。ご本人が成長する機会を奪ってしまうからです。どんな小さなことでも自ら選んで決めていくことの大切さを考えて我々は日々関わらせていただいています。

2013年01月30日 支援者とは その1

先日は、施設での養成実習お疲れ様でした。あっという間に時間が過ぎてしまって、慣れてきたところで終了となりましたね。これからは実際の現場の中で色々なことを学んでいってくださいね。

階段前でパチリ大谷田では、毎年、社会福祉士の養成実習を数名受けさせていただいております。何年か前の実習生に、実習の振り返りの時に「支援員とはなんですか?」という質問をされました。その時は、「ご本人と一緒に歩いていくことです。」と答えました。

今思い返すと抽象的で分かりづらい言葉でした。我々の考え方も含めて少し詳しくお話しさせていただきます。

まず、我々が働く場は社会の中になります。基本としてビジネスマナーを身に付けることが必要です。例えば、障がいのある方に就労を目指して支援していく中で、支援員は作業技術の習得、社会性の向上や人間としての成長などを支援目標に掲げます。これらのことを指導しているはずの支援員が、業務のルールを守れない、身だしなみができていないことがあります。支援者の前に、社会人として当たり前な基本的ことは身に付けておくべきです。

その上で、支援員として、社会福祉に関する知識や技術を基盤とした、障がいのある人を一人の人として尊び、主体者として捉え寄り添っていく価値観や、ニーズを実現するためにどのような支援を行うかという価値観が必要です。価値観を養っていくには時間はかかりますが、それだけでなく、自分自身の人間性も深く関係してきます。これらのことはすぐに身に付くものではなく、地道に努力していくことが必要です。

支援者の仕事の幅はかなり広くなります。その分業務も増えてくると思われます。日々の業務が、障がいのある方への支援についてどのような役割を果たしているかということも考えていかなければなりません。日々の受注品を納品することに追われ、利用者主体の作業ではなく、職員主体の作業体制を組んでいないでしょうか。業務をこなすことが目的となって、支援の仕事の本質が見えなくなってしまうことが意外に多くあります。我々は作業の専門家ではなく支援の専門家であることを自覚する必要があります。

具体的には、日々の支援の中で個々人のその時々のニーズを把握し、その実現のための手立てを考え実践していくことが必要です。その時に目先のことに囚われ目指すべきものを見失うこともありますが、本来目指すところに向かって、一歩一歩着実に歩んで行くことです。常に自分は何を目指しているのかをきちんと持っていることが大切です。

集合写真大我々の仕事は、遠いゴールに向かって進んでいます。もしかしたらゴール自体も見えないかもしれません。障がいのある方と共に歩み、目指すべき方向を模索しながら一歩ずつ進んでいくものです。人を支援することは定形のマニュアルでは収まりません。その都度、支援の意味を考え、目指すべきものを持ち、一緒に問題を抱え、一緒に考え、進むべき方向を選んでいただき、共に成長し、共に失敗し、共に喜び、その課程を見守っていくことが我々の支援の本質になります。

そしてその中で、ご本人の経験や支援を通して支援者自身が学ばせていただいています。障がいのある方が何か一つでも成し遂げることができることで、支援を通して支援者自身の人間的な成長を行わせていただいているのです。